●はじめに
このシナリオは『新クトゥルフ神話TRPG』に対応したシナリオである。探索者3~4人向けにデザインされている。プレイ時間は探索者の作成時間を含まないで5~6時間程度である。舞台は現代日本にある小さな町で、時期は2021年の夏である。探索者はいずれも同じ小学校に通う小学校5年生であるため、新規に作成することが望ましい。本シナリオをプレイするためには、新版ルルブに加えて年少探索者の作成のために『新クトゥルフ神話TRPG クトゥルフ2020』を参照する必要がある。
●プレイヤー向け情報
このシナリオの舞台は山と海に囲まれた田舎町の角尾町で、探索者たちは全員が角尾小学校5年1組のクラスメイトである。探索者の作成にあたっては『新クトゥルフ神話TRPG クトゥルフ2020』の「年少探索者の作成(71P)」を参照すること。
このシナリオでは不可避の戦闘があるが、必ずしもすべての探索者が戦闘のための技能を持っている必要はない。山道を歩いたり本を読んだりするような場面もあれば、同級生や大人たちを相手に情報を集めるような場面もあるため、様々な個性を持った探索者に活躍の機会があるだろう。
●導入
探索者たち(あるいはその一部)は「角尾少年探偵団」を自称している。もっとも、探偵団と言っても子供たちの想像するような「探偵」であり、迷子の猫を探したり、秘密基地を作ったり、自分たちで見つけた事件や友達からのちょっとした依頼を子供らしく解決してきただけだ。
今日は夏休みを間近に控えた2021年7月16日の金曜日だ。6時間目の授業が終わり、探索者たちが教室で話をしていると、4年生の中條美夢が訪ねてくる。彼女は、探索者たちに「オヤトサマに取られてしまった首飾りを取り返してほしい」という依頼を持ち込んでくる。
探索者たちはこの依頼を受けることを決め、まずは美夢から詳しい話を聞くことになるだろう。