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●はじめに

 このシナリオは「クトゥルフ神話TRPG」に対応したシナリオである。探索者2 ~ 4人向けにデザインされている。作成したばかりの探索者でも、歴戦の探索者でも楽しめるだろう。
 プレイ時間は、探索者の作成時間を含まないで4 時間程度と想定されている。基本ルルブだけでもプレイは可能だが『クトゥルフ神話TRPG キーパーコンパニオン改訂新版』もあれば、より深く楽しめるだろう。舞台は現代日本とするが、場所や時期はKPが自由に定めてよい。本シナリオの開始時点は2018年と設定されているが、他の年でも可能だ。ただし、本シナリオが始まる場所は、東京のような大都市圏であることが望ましい。

(以下略)

 

●プレイヤー向け情報

 探索者たちは、ある探偵事務所に出入りする仲間である(所長ではない)。ただし、私立探偵である必要はない。探偵事務所のご意見番の大学教授や、システム保守のために常駐するエンジニアなども可能である。探偵事務所に出入りする理由も含め、職業はPLの想像力にゆだねられている。
 あるいはKPからの指定があった場合、探索者たちは、NPCである野々宮の友人として作成される。野々宮は大学生であることから、探索者たちの年齢もそれに近づけた方が、導入が容易かもしれない。
 探索者たちは野々宮から人探しを頼まれる。失踪した人物を捜索するうちに、探索者たちは宇宙的恐怖に徐々に近づいていくだろう。街中での探索が中心となることから、そこでの調査を得意とする探索者がいたほうが有用だろう。なお、不可避の戦闘は発生するが、戦闘技能を用いずとも生還は可能である。もちろん、戦闘が得意な探索者を使用することもPLの自由である。

●​導入

 ある日の13時、探索者たちは探偵事務所にてくつろいでいるところである。直近で仕事は入っていない。
 そこに、電話がかかってくる。それに出ると、電話の相手は野々宮と名乗った。口調はいくぶん慌てているように聞こえる。

 野々宮によると、シェアハウスの同居人が失踪してしまったようだ。ついては捜索を頼みたいので、できるだけ早く来てほしい、という。シェアハウスの住所を聞くと、そこは探偵事務所から電車と徒歩で30分ほどの距離の場所だ。閑静な住宅街の一角らしい。野々宮はそこに14 時に来てほしい、と頼んでくる。
 探索者が詳細を尋ねても、野々宮は「とりあえず来てください。そこで話します」と言って応じない。かくして探索者たちは14時に、シェアハウスに行くことになる。

​(以下略)

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